第一次大戦後の荒廃するヨーロッパ、そしてスペイン風邪の流行というパンデミックの時代を背景として1922年に発表された長編詩。モダニズム文学を代表するこの作品を、同時代の詩人・西脇順三郎による翻訳でおくる。本邦初の完訳版。 四月は残酷極まる月だ/リラの花を死んだ土から生み出し/追憶に欲情をかきまぜたり/春の雨で鈍重な草根をふるい起すのだ。(本文より)