目次 緒言 / p1 第一章 何を読むべきか-古典について- / p3 或る程度多読の要-古典を憚るな-読書の利益-鴎外の「ヰタ・セクスアリス」中の一節-「福翁自伝」中の一節-つとめて大著を読め-読書家の顔 第二章 如何に読むべきか / p20 難解の書に屈託するな-ともかくも読み進め-名著と名苑-名著と名曲-再読三読の要 第三章 語学力について / p30 語学力を養う必要-それを養う方法-「蘭学事始」の前例-外国書味読の困難-筆写と素読 第四章 飜訳について / p42 名著の飜訳と名画の模写-鴎外の飜訳論-細心と放胆との必要-「エミリヤ・ガロッティ」の例 第五章 書き入れ及び読書覚え書き / p50 ミルの「功利主義」に対する福沢諭吉の書き入れ-漱石の書き入れと短評-鴎外と梗概-ヴァイニング夫人の「小恍惚」 第六章 読書と観察 / p66 名を知って物を知らぬ片羽-アルフレッド・マーシャルの観察力-ゲーテのイタリヤ紀行-福沢の「西洋事情」-同じく「旧藩情」-如何に読むべきか 第七章 読書と思索 / p78 読書と思索、受動と能動-ショーベンハウアーの警告-ファウストとワグナー-我らの内なるワグナー-漱石と鴎外-「私の個人主義」 第八章 文章論 / p93 福沢、鴎外、漱石の文章論-福沢の「文学之教」の嘲罵-マルクシストの難文癖-マルクスの文章論-劉知幾の「史通」-フランツ・オッペンハイマー-推敲の大切なること 第九章 書斎及び蔵書 / p112 書斎についての理想-明窓浄机-広さ、色調、椅子その他-書斎の記憶-ファウストの月に対する独語-書籍の購入と厳選の必要-書評の厳正-タイムス文芸附録の実例 第十章 読書の記憶 / p130 (一)父母-太平記-慶応義塾の学風-馬場孤蝶、福田徳三-「三田文学」-水上滝太郎-久保田万太郎-永井荷風 (二)ロンドン留学-大英博物館読書室-クインス・ホールのプロムネード・コンサート-「資本論」-当時の記憶-ベルリン留学-シュニツラー (三)「戦争と平和」-始めてアメリカの学芸に接す-「国訳漢文大成」-文学に於ける音楽-谷崎潤一郎-志賀直哉-佐藤春夫 引用書目