古今に材を求めた秋成の短編集を、わかりやすい現代語訳と読みやすい原文で深く味わう-。平城天皇を乱に巻き込み、挙げ句敗れて自刃した愛人薬子の血は飛び散り、乾かないという怪異を描く『血かたびら』、妹の結婚を相手の父に潰された兄の狂気と愛情に迫る『死首の咲顔』、不幸にも敵と枕を並べてしまった遊女は思いつめ、法然上人の下に向かう『宮木が塚』、大罪を犯した男の、晩年の驚きの末路を描く『樊〓(はんかい)』等ユニークな全10編。