日本人の美意識を決定づけた最初の勅撰和歌集。四季の歌、恋の歌を中心に、平安朝初期から100年間の名歌1100首を時間の経過や歌の照応関係に留意しながら20巻に整然と配列する。「ひさかたの光のどけき春の日に静心なく花の散るらむ」(紀友則)、「思ひつつ寝ればや人の見えつらむ夢と知りせばさめざらましを」(小野小町)など、現在にいたるまで人口に膾炙している多くの歌を擁する。訳と詳細な注を付けた文庫版の最高峰。