ハイデガー哲学の核心を「反哲学の哲学」として読み解き、哲学を日本人にも身近な学問に生まれ変わらせた哲学者、木田元。若き日の焦燥と絶望の中で出会った『存在と時間』に魅せられ、ハイデガーを読みたい一心で大学へ進学。以後50年にわたる哲学三昧の日々と、その研鑽の果実としての独創的ハイデガー読解の誕生まで、現代日本を代表する哲学者が自身の生と哲学を語る最終講義。補説、「『存在と時間』をめぐる思想史」を併録。