第2期【白の闇】篇刊行。
堂々のシリーズ完結!
大好評シリーズ「アルケミスト双書」、
『闇の西洋絵画史』篇、全10巻がついに完成!!
西洋美術の「闇」の側面を浮かび上がらせる、
妖しくも美しい西洋絵画史シリーズ(フルカラー)。
著者は編集者で評論家の〈山田五郎〉。
■著者・山田五郎より
西洋絵画には、
教科書には載せられない「影の名画」もあれば、
逆によく見る名画に「影の意味」が
隠されていることもあります。けれども、
今日の感覚では不健全と思える表現や寓意も、
描かれた背景を知れば納得でき、
見え方が変わってくるはずです。
西洋絵画の本質は、
その最大の特徴である陰影法と同様に、
光のあたる表面だけではなく
闇の側面も見ることで、はじめて立体的に
浮かび上がってくるのではないでしょうか。
■本シリーズの特徴
・1冊1テーマを詳説
・類をみないユニークな切り口
・1冊あたり約70作品を掲載
・コンパクトで瀟洒な造本
・本物の美術の教養に
・ゲームや漫画他、創作のための資料としても
■シリーズ
*第2期:【白の闇】篇
〈6〉天使
〈7〉美童
〈8〉聖獣
〈9〉楼閣
〈10〉殉教
*第1期:【黒の闇】篇
〈1〉悪魔
〈2〉魔性
〈3〉怪物
〈4〉髑髏
〈5〉横死
■まえがき(〈10〉殉教)
西洋絵画に描かれるキリスト教の殉教とは、
信仰や義のために甘んじて死を受け入れること。
イエスは信仰のために迫害されたときは
「他の町へ逃げて行きなさい」と教えています。
戦わずに逃げるのも、
逃げ切れなくなれば無抵抗で死を受け入れるのも、
「悪人に手向かってはならない」からです。
つまり、殉教とは決して自分から望む目的ではなく、
あくまで他者や状況に強いられて
やむをえず甘受する結果であり、
もとより教会が推奨するところではありません。
それでも殉教者の多くが聖人として崇敬され、
幾多の宗教画に描かれてきたのは、
人々の罪を贖うために無抵抗で
自らの命を犠牲にした
イエスの受難に重なるからです。