『正義論』で知られるジョン・ロールズ(一九二一~二〇〇二)。「無知のヴェール」「重なり合うコンセンサス」などの独創的な概念を用いて、リベラル・デモクラシーの正統性を探究した。本書はロールズの生涯をたどりつつ、その思想の要点を紹介する。彼が思想とした社会とはどのようなものだったのか。また、批判にどのように応答し、後世にどのような影響を与えたか。戦争体験や信仰の影響、日本との意外な関係などの歴史的背景もふまえ、「政治哲学の巨人」の全貌を明らかにする。