日本仏教史および文化史の上に偉大な足跡を残している巨人・弘法大師空海ほど、さまざまな伝説・俗信に彩られた謎の人物は稀である。本書は、空海にまつわる神話を洗い落とし、真に仏教者・思想家・詩人として生きた生涯を再現して、彼の求めたものは何であったのか、その軌跡はどうであったかをあざやかに浮かび上がらせる、空海伝の定本である。