"統合失調症は糖尿病とあまり変わらない程度の罹病率を持つ“ありふれた病気”である。しかし、罹病者の家族・周囲にとっては、とほうもない負担・困難を患者と共に背負い続け、生涯を傾けざるを得ない非常に稀な特徴に満ちた病気である。
中堅出版社勤務の著者は、妻と十代の娘一人のあたたかいマイホーム暮らしだったが、娘の発病で一変した。真夜中にあらん限りの大音声で、「死ね、しね、シネ、SHINE,SSSHHHIIINNNEEE??」と叫びたてる。おらび上げる。町内中に響き渡る娘の声。
平穏無事を絵に描いたような、静かで、未来性に満ちた穏やかな生活が、一夜にして、奈落の底に急転落してしまう。一家離散の一大椿事の卵は、あなたの、私たちのすぐそばに、落ちているのだ。
出版業界 話題沸騰!"