キリスト教神学の基礎を築いた古代ローマ末期の教父・アウグスティヌス。その青年時代は、放蕩無頼だったとする通説を、筆者は名筆『告白』の鋭い読解により覆し、子供までもうけて離別した内縁の女性こそ、アウグスティヌスに最も大きな影響を与えた人物と説く。「創造と悪」の章では、アウグスティヌスと道元の思想の共通点を指摘し、キリスト教と仏教の接点をも示した。キリスト教理解のための必読書。