皇族から一民間人へ。それは「二重の人生」だった――。祖父で軍令部総長を務めた伏見宮博恭王の家庭での姿、広い邸と家族一人ずつの別荘、親と離ればなれの教育、幼い頃からの公務、皇太子(現上皇)との日光疎開、皇籍離脱、米ケンタッキーへの留学、外資系企業の営業、菊栄親睦会、そして「皇族」への思い……。90歳を前になお鮮明な記憶が紡ぎ出す数奇な物語。貴重な写真も多数収載。