「あんたバカ?」「だって女/男の子だもん」。私たちが何気なく使う多くの言葉のどこに問題があるのか? その善悪の根拠を問い、言葉の公共性を取り戻す。
あの人から言われた「あんたバカぁ?」
元大統領が言う「○○人は○○だ!」
「悪気があったわけではない」
どこまでがセーフで、どこからがダメなのか?
「あんたバカぁ?」「このタコが!」「だって女/男の子だもん」。私たちが何気なく使う言葉にも、悪い言葉がたくさん潜んでいる。では、その言葉は本当はどこが悪いのか? さらには、どうしてあの言葉はよくてこれはダメなのか? 議論がつきない言葉の善悪の問題を哲学、言語学の観点から解き明かす。読み終えると「ことば」への見方が変わるはず。
【目次】
はじめに
第1章 悪口とは何か――「悪い」言語哲学入門を始める
1 私たちは言語のエキスパートではない
2 悪口の謎
3 言語哲学を学ぶということ
第2章 悪口の分類――ことばについて語り出す
1 内容にもとづいた分類
2 形にもとづいた分類
3 行為による分類
第3章 てめえどういう意味なんだこの野郎?――「意味」の意味
1 意味を学問する
2 意味の外在主義と内在主義
3 意味が担う四つの機能
第4章 禿頭王と追手内洋一――指示表現の理論
1 武士を法師と呼ぶなかれ
2 固有名
3 確定記述
第5章 それはあんたがしたことなんや――言語行為論
1 語用論
2 言語行為論
第6章 ウソつけ!――嘘・誤誘導・ブルシット
1 嘘つきは泥棒のはじまり
2 嘘とは何か
3 嘘でなければいいじゃない
第7章 総称文はすごい
1 主語がデカイ
2 「だって女/男の子だもん」
第8章 ヘイトスピーチ
1 ヘイトスピーチとは何か
2 「ヘイト」と「スピーチ」の概念分析
3 「蒸気船」としての言語
おわりに――悪口の謎を解く
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