豊かに実る穀物を、収穫しては挽いてこねて焼く。そうして出来た固形物を、本書は「パン」と定義する。この「パン」作りを、人類は遥か五千年以上前から繰り返してきた。古来から食べものそのものを意味する特別な存在だったパン。メソポタミア文明から現代ヨーロッパまでを、膨大な資料と調査に基づいて一望する。貴重な写真図版も多数収録。世界各地・諸民族・各家庭で多種多様に継承された、パンの姿と歴史と文化が、この一冊に。日本語で書かれた、ほぼ唯一の、パンの文化人類学。