• Author杉本秀太郎 安野光雅
  • Publisher講談社
  • ISBN9784061597822
  • Publish Date2006年9月

みちの辺の花

カラー版 花への恋情あふれる画文集
春、夏、秋、冬、日本の四季のうつろいを彩る花々、
みちの辺でふと出会う野の花、山の花。蕗の薹(ふきのとう)、蛍袋、藤袴、吾亦紅(われもこう)など可憐に咲く草の花。山茱萸(さんしゅゆ)、梅花空木(ばいかうつぎ)、黒芽柳など野趣に富む木の花。季ごとに届けられる花を美しい色彩で詩情豊かに描き、また、愛する花へのあふれる思いを綿々と綴ってゆく。身近で秘やかに咲く花への恋情こもる画文集。
山野の路傍にこの花を見つけて、「しばらく」と声をかけても、しょんぼりうつむいてだまっている。思いのほか無愛想だから、長く立ちどまって見とれるほど気を惹かない。名のおかげで、ずいぶん得をしている。一抹の幼ごころをよみがえらせ、ほんの一時にせよ、人をいわば詩人に変える魔法が、ほたるぶくろという呼び名にはひそんでいる。――<本書「蛍袋」より>

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