明治大正期を代表する木彫家で、西郷隆盛銅像の製作者として知られる高村光雲(1852‐1934)の自伝的回想録。「お話し自身すでに立派な芸術」といわれるほど座談の名手であった光雲が、田村松魚や息子の高村光太郎を聞き手に、生立ちから彫刻家として名をなすまでを幕末維新の世相風俗を交えて生きいきと語る。