「倫」はなかま、「理」はことわり、すなわち「倫理」とは、人間共同態の存在根底としての秩序である。主著『倫理学』の方法論的序説とされる本書で和辻は、アリストテレスからマルクスにいたる西洋哲学の人間観と方法を十分に咀嚼した上で、人倫の体系としての倫理学という独自の筋みちを提示。日本倫理学に革新をもたらした。