• Author(株)自動車保険ジャーナル

自保ジャーナル No.2098 2021.11.25

①29歳女子主張の3級外傷性高次脳機能障害はびまん性軸索損傷の医学的定義やWHO基準には該当しない上、脳の器質的損傷を示す画像所見等存在しないと否認し、脳脊髄液減少症は髄液漏出等認められないと発症を否認した ②自賠責12級12号左足指用廃等の併合12級後遺障害を残す減収のない32歳女子会社員の逸失利益を14%の労働能力を喪失したとまでは認められないとしても少なくとも10%の労働能力を喪失したと認定した ③乗用車で店舗駐車場を走行中に後退Y乗用車に衝突された女子X主張の受傷を車両が揺れるほどの衝撃があったとは認められないと否認し本件事故と線維筋痛症の発症との因果関係も否認した ④停車中に追突された60歳代男子の左難聴・耳鳴を14年前の難聴等の受診以降治療を受けたことはなかった等から本件事故との因果関係を認め自賠責同様9級9号を認定した ⑤佇立中に3度のブレーキとアクセルの踏み間違いの被告乗用車に衝突され多発骨折を負い1,071日入通院した45歳女子の入通院慰謝料を被告の過失が極めて初歩的かつ重大である等から350万円と認定した ⑥約4ヶ月前の前件事故と本件事故との共同不法行為を否認し、身体への衝撃は本件事故の方が大きかったと本件事故の後遺障害に関する損害以外の寄与割合を8割、後遺障害に関する損害の寄与割合は6割と認定した ⑦圧雪状態の高速道路で右方追越時に並走被告乗用車が右に寄ってきたため回避し側溝に脱輪する等して非接触横転した原告大型貨物車の過失を8割と認定した ⑧青信号交差点を走行中に赤信号で進入してきたY自転車に衝突され物損について25%の過失割合で合意しているX自動二輪車に本件事故による過失は認められないと否認した ⑨車線変更してきた被告タクシーを追越して赤信号で停止した際の被告車の追突は原告自動二輪車が意図的に被告車の進路を塞ぎ直前で停止したために発生したと一方的過失を認定し被告会社の自賠法3条責任を否認した ⑩パトカーから逃れようと信号停止車両間をすり抜けようとしてV、W、Z車両に順次接触した被告車両は事故が発生してもやむを得ないと思っていたと未必の故意を認め約款免責を認定した ⑪原告乗用車が先行の友人転倒自動二輪車との衝突を避けて堤防道路から河川に転落は本件事故を故意に生じさせる動機がなかったとはいえないと原告の故意事故を認定し保険金請求を棄却した ⑫原告車両でB駐車場に右折進入した際にZ車両に衝突し、Z車両が建物シャッターの他、C車両に衝突した各損傷に対する対物保険金請求は原告の故意によって生じた事故と認定し請求を棄却した ⑬約5年前にも火災保険金受領歴のあるX所有建物の本件火災は資産状態芳しくなく放火の動機を否定できずX自身の放火でないとすれば合理的に説明することが著しく困難であるとXの放火を認定し保険金請求を棄却した

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