コロナ禍で、とりわけ若年層や女性たち、非正規雇用の困窮層が急増し、
私たちは深刻な貧困問題、格差拡大に直面している。市場競争、経済成長、
効率性に最大の価値を置く新自由主義がもともとはらんでいた危機が、
コロナ禍で顕在化した。
その中で、市民社会の中からNPO、協同組合、社会的企業などの
多様な実践が生まれ、共的な空間を築きあげ、新しいつながりの経済を
生み出している。
孤立や分断の社会を乗り越えるための世界と日本の具体的とりくみとは?
【目次】
序章 なぜ社会的連帯経済なのか
(藤井敦史・立教大学コミュニティ福祉学部教授)
第1章 社会的連帯経済とは何か(藤井敦史)
第2章 イタリアにおける社会的企業の展開過程
(田中夏子・都留文科大学教養学部教員)
第3章 社会的連帯経済を推進する世界の運動
(田中滋・アジア太平洋資料センター事務局長・理事)
第4章 不安定社会の編み直しを求めて―社会的企業研究会の展開から
浮かびあがるサード・セクターの新しい実践潮流
(菰田レエ也・鳥取大学地域学部教員)
第5章 労働者協同組合の社会化戦略―協同労働を軸に明日が希望と思える
社会変革へ(相良孝雄・協同総合研究所事務局長(理事))
第6章 地域再生政策における連帯的な経済の可能性と課題
(原田晃樹・立教大学コミュニティ福祉学部教授)
第7章 公的サービスの外部化と非営利組織の評価(原田晃樹)
第8章 私たちが韓国社会的経済から学んできたことは何か(藤井敦史)