• Author(株)自動車保険ジャーナル

自保ジャーナル No.2103 2022.2.10

1.乗用車で停止中に追突された34歳男子主張の9級高次脳機能障害は意識障害なく脳に器質的損傷を示す客観的所見等が認められないと否認、11級主張の胸椎椎間板ヘルニアの受傷も認められないと後遺障害の残存を否認した 2.46歳男子の左下肢痛を自賠責同様7級4号CRPSと認め12級13号右下肢痛と併せ併合6級後遺障害を認定し、症状固定後14年間につき日額4,000円、以降平均余命の21年間につき日額5,000円で将来介護費を認めた 3.21歳女子原告主張の右足関節機能障害等は原告を診察した医師の測定値は信用できると自賠責同様併合7級認定しセンサス女性同学歴全年齢平均を基礎収入に44年間56%の労働能力喪失で逸失利益を認めた 4.30代専業主婦の全長44.5㌢㍍の右上肢瘢痕を自賠責同様14級4号認定し就職の予定はなく醜状障害が労働能力に直接的な影響を及ぼすおそれは認められないと後遺障害逸失利益の発生を否認した 5.59歳男子無職主張の10級11号右肩関節機能障害は改善傾向にあったが症状固定4年以上経過後に悪化等から自賠責同様12級6号認定し就労の蓋然性を認められないと後遺障害逸失利益及び休業損害の発生を否認した 6.66歳女子主張の頸部痛等併合11級後遺障害は12級13号を含め何らかの後遺障害が残存したとは認められないと否認し、脊柱管狭窄症等の既往歴から8割の素因減額ないし寄与度減額を認定した 7.乗用車で駐車中に後退してきた被告乗用車に衝突された原告主張の頸椎捻挫及び腰椎捻挫等の傷害は本件事故態様から不自然ではなく、症状の経過等からみても傷害を負ったことに整合すると事故との因果関係を認めた 8.同一方向進行中のA原付自転車と右前方直進被告乗用車の接触死亡事故で目撃証言等からA車が被告車の左直近通過中に接触させたと認め被告車の自賠法3条免責を認定した 9.自動二輪車で被告管理の山道を走行中に道路の亀裂によって転倒受傷したとする原告主張の事故状況は不自然かつ不合理なもので亀裂が原因で本件事故が発生したとは認められないと原告の請求を棄却した 10.対向車両との衝突を避けて原告車両が電柱に衝突したとの本件事故は電柱との衝突回避措置が認められず、保険金取得の動機が存する経済状況等から原告の故意により生じたと請求を棄却した 11.モーターボートに乗船しようと船尾のラダーを登っているまたは甲板に立っている状態で急発進されスクリューに接触し受傷した原告は免責条項の「被保険船舶に搭乗している者」に該当すると認め保険金請求を棄却した

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