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  • 著者吉田一郎
  • 出版社湖北アーカイブ研究所
  • ISBN9784883257553
  • 発行2022年3月

地図から消えた村 / 琵琶湖源流七集落の記憶と記録

1969年、長浜市広報課勤務になった著者は「今の北近江の風景や暮らしを写真の残せば歴史になる」と言われたことが契機となり、滋賀県北部の民俗や人々の暮らしを中心に記録を残してきた。高度経済のもと大きく変貌する農村の記録をまとめた北近江 農の歳時記』を2000年に上梓、第5回自費出版文化賞大賞を受賞する。
今回は、過疎や大型ダム建設によって離村した7集落の人々の在りし日の暮らしの写真とともにその写真展に参加した人々の姿をまとめ、村と人々の記憶と記録を収録。ダム建設は中断し、村は水底には沈まなかったが、地図から集落の名前は消えた。巻末に掲載された人々が暮らした姿、離村間もないころ、そして大自然に飲み込まれた今の姿から、著者は「人は去っても山河は変わらず、人の営みは自然からの借り物であったことに気づかされた」とつぶやく。撮影を開始して25年後人々は離村、そして今日まで27年という半世紀の記録。最初はカメラを向けると背を向けた人々も次第に「まあ上がって」といわれるようになる。やがて消えるこの暮らしや風景を撮っておかないとという使命感が著者の背を押し続けたのであった。

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