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  • 著者瀬戸内寂聴
  • 出版社祥伝社
  • ISBN9784396617776
  • 発行2022年4月

遺す言葉「寂庵だより」2017ー2008年より

誰かを幸せにするために
よく動き、よく働いた。
寂聴さんが編集長を務めた「寂庵だより」から
2008年から2017年までの晩年の随想、10年分を収録。
これはもう、生きすぎたケジメをつけなければならぬ時がきたと覚悟を決めた。
決めたものの、その実行が以前のようにさっさとできないのである。
遺書も書けていないし、身辺整理も何一つ出来ていない。
このままでは死にも出来そうにない。(「生きすぎたケジメ」より)
「寂庵だより」を始めたのは私が64歳の時で
出家から13年が経っていたーー。
もう、今夜死んでも不思議ではない年齢だ。
今となっては、何も思い残すことはない。
書き足りない想いもない。
出家したおかげで、あの世を私は信じている。
あの世で、先に逝ったすべての人に
再会できると信じている。(「法臘四十歳」より)

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