• Author鮫島浩
  • Publisher講談社
  • ISBN9784065280348
  • Publish Date2022年5月

朝日新聞政治部

「吉田調書事件」の当事者となった元エース記者が目にした、崩壊する大新聞の中枢
登場人物すべて実名の内部告発ノンフィクション
地方支局から本社政治部に異動した日、政治部長が言った言葉は「権力と付き合え」だった。
経世会、宏池会と清和会の自民党内覇権争い、政権交代などを通して永田町と政治家の裏側を目の当たりにする。
東日本大震災と原発事故で、「新聞報道の限界」をつくづく思い知らされた。
2014年、朝日新聞を次々と大トラブルが襲う。
「慰安婦報道取り消し」が炎上し、福島原発事故の吉田調書を入手・公開したスクープが大バッシングを浴びる。
そして「池上コラム掲載拒否」騒動が勃発。
ネット世論に加え、時の安倍政権も「朝日新聞バッシング」に加担し、とどめを刺された。
著者は「吉田調書報道」の担当デスクとして、スクープの栄誉から「捏造の当事者」にまっさかさまに転落する。
吉田調書報道は、けっして捏造などではなかった。
しかし会社は「記事取り消し」を決め、捏造だとするバッシングをむしろ追認してしまう。
そして、待っていたのは「現場の記者の処分」。
このときに「朝日新聞は死んだ」と、著者は書く。
戦後、日本の政治報道やオピニオンを先導し続けてきた朝日新聞政治部。
その最後の栄光と滅びゆく日々が、登場人物すべて実名で生々しく描かれる。
【目次】(抜粋)
◆第一章 新聞記者とは?
記者人生を決める「サツ回り」
刑事ドラマ好きの県警本部長
◆第二章 政治部で見た権力の裏側
政治記者は「権力と付き合え」
清和会のコンプレックス
小渕恵三首相の「沈黙の10秒」
古賀誠の番記者掌握術
朝日新聞政治部の「両雄」
◆第三章 調査報道への挑戦
虚偽メモ事件
社会部とは違う「調査報道」を生み出せ!
社会部出身デスクとの対立
◆第四章 政権交代と東日本大震災
内閣官房長官の絶大な権力
小沢一郎はなぜ総理になれなかったのか
原発事故が突きつけた政治部の限界
◆第五章 躍進する特別報道部
福島原発の「被曝隠し」
「手抜き除染」報道と特別報道部の全盛期
◆第六章「吉田調書」で間違えたこと
吉田調書取材班の結成
吉田調書報道の「小さなほころび」
危機管理の失敗
動き始めた安倍政権
「池上コラム問題」はなぜ起きたのか
衝撃の木村社長会見
◆第七章 終わりのはじまり
バッシングの嵐と記者処分
ツイッター騒動と「言論弾圧」
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