「コピる」「爆睡」「っていうか」そして「激おこぷんぷん丸」…。
本書は主として1990年代後半から2010年代に生まれた若者言葉について著者自身が収集した自然談話録音資料、新聞・雑誌やSNSのデータより、実際の使用例を豊富に挙げて共時的に分析したものである。
若者言葉は言葉の遊びや流行語・俗語のように扱われることが多いが、本書では社会言語学の視点から多数の使用例をもとに詳細な分析を行った。若者言葉を単なる流行語や俗語として扱うのではなく現代日本語の「変化の過程」として捉え、活きた現代日本語の言語学的傾向と特徴を示すとともに、独自の規則性を持っており、その規則性も含めて後世に継承される傾向にあることを指摘した。
なお本書に収録された膨大な自然談話録音文字化資料は、若者たちの本音の会話が忠実に再現されており、当時の社会情勢や流行を鮮明に蘇らせるだけでなく、現代日本語が時を経て「古く」なった際の貴重な資料を提供するものである。