芥川の言葉"宿命は不幸にも萩原君に理智を与へた"の如く、明敏なるが故に近代の毒を満身に浴びた現代詩の創始者、萩原朔太郎のその生活と芸術を、地誌と歴史の中に融合した批評家・磯田光一の正に畢生の評伝文学。最終章は書かれずに終ったが、優に世に残すべき力篇。