本書で扱われている分野は、おそらく著者にとって最も力の入ったフィールドであったであろう。少年時代の寺子屋の思い出から始まる漢詩の星、そしてギリシャ・ローマ神話と結びつく西洋古典の星、また特に、著者の専攻である英文学における星の考証は、まさに、野尻文学の中心とも言えよう。