寂聴さんが編集長を務めた「寂庵だより」から
随想を収録したシリーズ第二弾が発売!
書くことが生きることであり、生きることが書くことだった。
文即是生(ぶんそくぜせい)、生即是文(せいそくぜぶん)の驚嘆の記録。
―平野啓一郎
『源氏物語』を完訳、心弾む七十代
1998年から2007年までの充実した時期の随想を収録。
明日は何が起こるかわからないのだから、
そこに美しいもの、愉快なものが待ち受けていると思う方が、
今夜の眠りは安らかである。(「知らぬ月日」より)
「寂庵だより」を始めたのは私が64歳の時で
出家から13年が経っていた。
その時、骨身にしみて辛いと思った経験も、歳月が経ってふり返ってみると、
あの時、ああいう目にあったからこそ、
いまの自分があるのだと、思えるようなこともある。
人生の幸運、不運も、考え方の視点を変えれば、
案外逆だったりすることもある。
長く生きるということは、自然にそういうことがわかってくるらしい。(「見るべきものは見つ」より)
【目次】
一 書きつづけて五十年ー二〇〇七年
二 晩年を美しく生きたいー二〇〇六年
三 元気という病ー二〇〇五年
四 思い残すことなく燃え尽きる―二〇〇四年
五 釈迦の定命を越えて―二〇〇三年
六 無益の暴力、戦争に反対―二〇〇二年
七 恐ろしい米国同時多発テロー二〇〇一年
八 文学全集の刊行に取りかかるー二〇〇〇年
九 二十世紀を振り返ってー一九九九年
十 『源氏物語』ブーム、二百万部にー一九九八年