23歳、無一物で迎えた終戦、矢田部信幸は復員時に助けられた男を訪ね、深山を巡るうち、木工に魅せられ、その源流とこの国のなりたちを辿ってゆく。直木賞受賞作『生きる』から10年、著者初の現代小説。〈受賞情報〉大佛次郎賞(第40回)