《いつか小さな出版社を立ち上げようと考えている人。すでに小さな出版社を興す準備をしている人。これらを、漠然と思い描いている人。本書は、そうした人たちに向けて書いたものである。新刊書籍を扱う書店を開きたい人、すでに出版業や書店業に携わっていて、流通・販売の現状に課題があると考える人にも参考にしてほしい。近年、「出版不況」という言葉が盛んに流布されている。それでも、本をつくる人、本を売る人が、世の中からいなくなる気配はない。その情熱を下支えする「方法」を伝える。これが、本書の目標だ》(「はじめに」より抜粋)
受注から梱包、出荷、精算、書店と交わす覚書まで、これ以上ないほど具体的に描写&解剖された「トランスビュー方式」の実際。直取引、取引代行にかかる作業と費用も1円単位ですべて記載。トランスビュー・工藤秀之、取引代行参加出版社、注文出荷制参加出版社、直で仕入れる書店(誠光社、本は人生のおやつです!!、NET21)、取次、取次ルート系出版社ほかへの緻密なロングインタビュー。直取引(トランスビュー方式)を長く追い続けた著者による渾身のノンフィクション。本書が契機となって生まれた出版社は少なくない。本書の「ラディカル」を象徴する装画は、eastern youth のアートワークで熱烈なファンを持つ吉野有里子の描き下ろし。