夢と現実のあわいに、そっと差し伸べられる柔らかな感覚の蔓。その蔓の先にひっそりと息づく官能の蕾。ゆっくりとほころび、やがて開ききった花弁からこぼれだす、悦楽の香り。第一線で活躍中の女性作家五人が描くエロスの世界は、甘やかにみずみずしく、しなやかで生々しい。そして、うっすらと怖い。眩暈と溜息を誘う五つの短編をそろえた、贅沢なアンソロジー。