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  • 著者西野小枝子
  • 出版社たる出版
  • ISBN9784905277163
  • 発行2016年8月

もしその角を曲がっていたら

どうすれば一回限りの人生を悔いなく十全に生きることが出来るのか。ともすれば日常の多忙さの中に埋没しそうになる自己を、もう一度見つめ直し、自分の中に潜む色々な思いを解き放ちたいと願う著者は、文学的想像力を駆使して、「自己とは何か」「意識とは何か」「魂の充足はどうすれば手に入れることが可能なのか」など困難な問題に果敢に取り組み、それを具象化したイメージの美しい詩的な小説(目眩)に編み上げた。ほかに女の性を聖なる母性の面と、欲望の面から追求した力作(ある指物師奇譚)や、社会で女性が働くことに充分な理解が得られなかった頃の、仕事と家庭の両立の苦労や悩み、高校教師として働き続けて来たことの喜びをテーマにした小説(遊びをせんとや)、又、こんな生き方もあったかも知れないと、様々な女の生き方を夢想する(夢で見る夢)など合計十編が掲載されている。それぞれにどんよりと弛緩した時空の中へ、爽やかで求心力をもった風が、まるで目覚ましのように心地よく流れ込んで来る、そんな感じのする作品集です。

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