2015年――戦後70年の今年、子どもの本を作る者として、子どもたちに戦争をどう伝えるかを考えました。これは、子どもから子どもへのメッセージです。戦争を日常とし、毎日を暮らした当時の子どもたちから、現代の子どもたちへ、その暮らしと思いがそれぞれの視点で描かれています。戦争の体験は、著者のその後の人生に大きな影響を与え、強く生きていく動機になり、表現する仕事を選ばせたと感じます。生きる力の素晴らしさに触れると同時に、子どもの心に刻まれる戦争の痕跡の大きさに、改めて大きな恐怖を感じます。
小学生のお子さんたちは、ご家族に戦争体験者がいない人が多いと思います。小学校3年生以上を目安に編集しましたが、ぜひご家族でもお読みください。すべての漢字に読みがなをつけ、巻末には用語解説、地図、年表などを載せました。イラストも入り、読み進めやすくなっています。著者は、長 新太、和歌山 静子、那須 正幹、長野 ヒデ子、おぼ まこと、立原 えりか、田島 征三、山下 明生、いわむら かずお、三木 卓、間所 ひさこ、今江 祥智、杉浦 範茂、那須田 稔、井上 洋介、森山 京、かこ さとし、岡野 薫子、田畑 精一(敬称略)の各氏。長新太さん以外はすべてかき下ろしです。(担当編集)