精神病と対峙しながら精神科医として生きたひとりの医師の半生記
私は双極性障害と統合失調症の合併型、統合失調感情障害であろうと思っている。
波乱万丈の人生をこの年までよく生きてきたという思いは強く、もう十分だろうと考えてもいる。
精神の変調の兆しが出始めたのは、高校3年生のころ。
医学生時代の前半から、はっきりとした精神病症状が出現し出し、苦しみが始まった。
精神科医を志したのはその後まもなくことである。
この本が、精神障害に苦しんでいる人の何がしかの励ましになれば。
また、何より精神病症状というものが病者本人にとってどういうものなのか、その一端でも健康な人に知っていただきたい。
そしてそれが、精神障害者や精神医療について正しく理解してもらう一助になることを願う。