「なぜ、同じことを何度も聞いてくるのか」
「なぜ、受診の話をすると怒り出すのか」
「なぜ、同じものをいくつも買ってしまうのか」
家族や介護者が抱く認知症の人に対する「なぜ?」「どうして?」はたくさん。
しかし、脳科学の視点からみれば、ご本人の行動の理由は説明がつく真っ当なものばかり。なんら不思議ではありません。
本書はこうした家族や介護者が「なぜ?」と思う認知症の人の行動を、34の事例で取り上げ、その理由を脳科学で説明しました。ご本人の気持ちに沿った適切な接し方を伝える画期的な1冊です。
医学モデルでも生活モデルでもない、脳科学からのアプローチを示したはじめての書。
脳科学の知識がない人にもわかりやすく書かれています。
【主な目次】
少し長いはじめに~母が認知症になってからの学び~
事例 認知症の人が生活場面で直面する困難とアシストポイント
なぜ、ふとした瞬間、次に何をしようとしていたのかわからなくなるのか。
なぜ、同じことを何度も聞いてくるのか。
なぜ、物の使い方がわからなくなるのか。
なぜ、受診の話をすると怒り出すのか。
なぜ、実際にはできていないことを、できたと言い張るのか。
なぜ、何度もお米を炊いてしまうのか。
なぜ、同じ物をいくつも買ってしまうのか。
なぜ、家にいるのに「家に帰る」と言うのか。
なぜ、季節外れの服装をしたり、着替えをしなくなるのか。
なぜ、お風呂に入りたがらなくなるのか。
なぜ、食事をしたことを忘れてしまったり、食べ物以外の物を口に入れてしまうのか。
なぜ、大事な物を失くすと、身近な人のせいにしてしまうのか。
なぜ、お金の管理ができなくなるのか。
なぜ、夕方になると活動的になるのか。(夕暮れ症候群)
なぜ、1人で外出して帰れなくなるのか。
なぜ、突然怒り出したり、大声を挙げてしまうのか。
なぜ、排泄に失敗したり、汚れた下着を隠そうとするのか。
なぜ、人物がわからなくなるのか。
なぜ、感情や雰囲気は伝わるのか。
なぜ、サービスを拒否するのか。
なぜ、レビー小体型認知症の人は無気力になったり、運動障害が現れるのか。
なぜ、レビー小体型認知症の人は幻覚を見るのか。
なぜ、前頭側頭型認知症の人は怒りっぽくなるのか。
なぜ、前頭側頭型認知症の人は体調不良を言葉で伝えられないのか。
なぜ、その人らしさは最期まで残るのか。
なぜ、若年性認知症の人へのサポートは高齢者と異なるのか。 ほか
少し長いおわりに~認知症をもつ人の暮らしの障がいとアシスト~
【著者情報】
恩蔵絢子(おんぞう・あやこ)
1979年神奈川県生まれ。脳科学者。専門は自意識と感情。
永島徹(ながしま・とおる)
1969年栃木県生まれ。2003年NPO法人風の詩設立、同法人理事長。