東京の荒川区にある、「希望の館」という帰る家のない重病の患者を収容する施設で、末期ガンだった森本久司が死亡した。職員の柴田は遺品の中に、近江商人に関するものを手がかりに、遺族を捜すため滋賀県に向かう。ところが調査初日の真夜中に謎の脅迫電話が、柴田の携帯電話にかかってきた。すぐに帰らなければ、びわ湖環状線の真ん中で死ぬことになるという内容だった。やがて起こる殺人の連鎖……。森本の過去に何があったのか?琵琶湖周辺に渦巻く闇に、十津川警部が迫る!