• 著者半藤一利 星野之宣
  • 出版社文藝春秋
  • ISBN9784160901278
  • 発行2022年7月

日本のいちばん長い日 下

“玉”を囲い込め!!  終戦前夜、前代未聞の「宮城事件」が勃発する。 半藤一利の傑作ノンフィクションを、SF伝奇漫画の巨匠・星野之宣が鮮烈コミカライズ。
昭和天皇の聖断によって、ポツダム宣言受諾が決まった。国体護持を訴え続けた阿南陸相も、天皇の決意の前に頭を垂れるしかなかった。「堪エ難キヲ堪エ、忍ビ難キヲ忍ビ……」終戦の詔書を天皇自らマイクの前で読み上げる、歴史的な録音が始まった。
しかし、無条件降伏を認めない「徹底抗戦派」の暗闘は続く。畑中少佐、椎崎中佐ら陸軍の青年将校は近衛師団司令部に乗り込み、天皇に終戦撤回を迫るクーデターを企てる。動員命令を拒む森師団長らを斬殺し、天皇の肉声を録音した玉音盤を奪おうとする。
日本からの降伏通知が連合国へ通達されたのは、8月14日午後11時だった。すでにB29の大編隊はサイパン、グアムの基地を発進しており、本土への空爆は容赦なく続く。空襲警報のサイレンが鳴り渡る、深夜の宮城を舞台に、終戦をめぐる最後の攻防が始まった……。
すでに二度も映画化されている終戦を巡るドラマを、コミカライズ版では幕末の「尊皇攘夷」思想から説き起こし、二・ニ六事件、大陸侵攻、日米開戦へ続く天皇と軍部との緊張関係を軸に描き出す。
作画を担当するのは、漫画家の星野之宣。『ヤマタイカ』『星を継ぐもの』で星雲賞コミック部門を、『宗像教授異考録』で文化庁メディア芸術祭マンガ部門優秀賞を受賞。日本人として初めて、大英博物館で原画展を開催した。

>> 続きを表示