人間は立派な者として生まれるが社会が彼を堕落させる、という根本命題に立って理想的な自然教育の原理を述べたこの書物に、ルソーは自らの哲学・宗教・教育・道徳・社会観の一切を盛りこんだ。本巻は、その哲学篇で、ルソーの感情主義哲学を率直に吐露したものとして殊のほか有名な「サヴォワ助任司祭の信仰告白」を含む第四篇を収める。