フランクの言葉は、自らの重篤な病いの経験に根ざしながらも、他の多くの病いの語りと呼応し、この時代の諸々の思考の流れと交錯していく。時にそれを取り込み、時にはそれに反発しながら、経験をひとつの社会的な思想へと結実させていくプロセスは、そのまま著者の闘いの軌跡でもある。