卒業シーズンに歌われる定番曲の一つ「蛍の光」。明治に作られたこの唱歌には、現存しない3番と4番があった。「帝国」版図の拡大と幻の歌詞を読み解き、「蛍の光」の成立と変遷過程を「国民国家」日本の歴史の中に位置づける。唱歌教育の実態にも迫り、日本人の教化のみならず、朝鮮・台湾など東アジアの植民地支配に与えた影響を解明する。