鉄道や道路がそのルートを通った秘密と地形の克服法。
古い地名が残る街と、合理的な地名に整理された街。
市町村の合併と境界線の変遷、過疎で消えていく山中の集落。
地図を眺めていると、さまざまな「なぜ?」にぶつかります。特に、山間の厳しい地形でありながら明治の早期に鉄道交通が開通し、農業や製造業、観光が発達した長野県では、特有の地形や地質と合わせ、さまざまな特徴や変化が目を引きますが、新旧の地図を見比べると、その変化の移り変わりや、そうなった背景も透けて見えてきます。
本書は「地図の達人」として地図・鉄道に多数の著書がある今尾恵介さんが信州をフィールドに「各地の気になる特徴」を追い、県内だけでも「500枚以上はある」という膨大な新旧の地図コレクションを駆使してを掘り下げます。過去の姿を知り、今の様子を見つめ、未来の姿にも思いを馳せます。