決別 総連と民団の相克77年
かつて日本国内に60万人いた在日韓国・朝鮮人は、最大のマイノリティ集団として戦後史に大きな影響力を持った。
彼らを日本においても「南北」に分断したのが、在日本朝鮮人総聯合会(総連)と在日本大韓民国民団(民団)である。
総連と民団は、本国で起きた朝鮮戦争やその後の南北対立そのままに、日本を舞台に抗争を繰り広げた。
北朝鮮への帰国事業とその阻止運動、金大中の拉致、朴正煕夫人暗殺事件、力道山の囲い込み、そして芽生えかけた和解と決別--。両組織の77の相克に初めて迫った傑作ノンフィクション。
【編集担当からのおすすめ情報】
ベストセラー『殺しの柳川』で在日ヤクザと日韓裏面史を克明に描いた気鋭のノンフィクション作家・竹中明洋氏が、「日本の中の南北代理戦争」とも呼ぶべき朝鮮総連と民団の相克に迫りました。両組織が水面下で行なった数々の工作活動の中には、日本社会、ひいては国際社会を揺るがした重大事案も少なくありません。北朝鮮による拉致事件の裏側や、力道山を巡る総連と民団の駆け引き、民族学校の運営まで、当事者たちの貴重な証言で迫ります。いまなおヘイトスピーチに揺れる在日社会にあって、両組織の在り方を見つめ直すきっかけにもなるノンフィクションです。