人の家のお雑煮を食べ歩くお雑煮研究家、粕谷さんは、
「お雑煮ほど面白い料理は他にない!」と言います。
お雑煮は「年に一回正月にだけ食べる料理」という位置付けで、
飲食店で食べることはほとんどなく、
家族や親戚と過ごす時間のなかだけで守られ育まれた閉ざされた料理。
しかし、粕谷さんは、
人に聞くと「自分の家ではこうだ!」と盛り上がるお雑煮談義に興味をもち、
地域色の豊かさや奥深さに心ひかれ、好奇心に従って研究を開始。
じつはこんなにバリエーションがあるんだということを知ってほしい、
いろんな味を食べ比べて欲しいと、お雑煮のよさを広めるため日々活動しています。
この本は、その粕谷さんの活動と、その突撃取材で入手した貴重なレシピを紹介する本です。
●47都道府県の個性あふれるお雑煮を掲載!
茶碗蒸しみたいなお雑煮がある?(福岡)/納豆に砂糖を入れて混ぜる雑煮?(熊本)
ふぐのお雑煮がある!(福島)/あんもち白みそ雑煮はおいしい!(香川)
東北のお雑煮は具沢山!(山形)/はばのり雑煮(千葉)
鍋に入ったお雑煮がある!(長崎)
●すべてレシピ付きで作って食べられる!
●だしのバリエーションを紹介!
昆布、かつお、いりこはもちろん、焼き鮎、焼きあご、焼きえび、カワハギまでレアなだしも!
●お雑煮にしか使われないご当地野菜を紹介!
雑煮大根、金時人参、餅菜、かき菜、かつお菜、おやし、唐人菜
●お雑煮愛を地元民が語る!
【著者より】
「この本のホントの主役は、お雑煮の背景にある物語です」
この本のタイトルは「お雑煮レシピ」。
もちろんいろんな地域の雑煮レシピもしっかり書いています。
でも、ホントの主役はお雑煮の背景にある「物語」にあるんです。
レシピ本なのに、レシピ以外の物語の分量がとても多い(笑)。
お雑煮の背景にある伝統や、郷土食、そんな話をすることにこそ、面白さの真骨頂があるんですよね。
お雑煮そのものの物語だけじゃありません。足で稼いで聴き取りをしたときに、
おしゃべりしてくれた方のお雑煮にまつわる家族の物語も、
その土地ならではのお野菜にまつわる話も、お雑煮の周囲を取り囲むストーリーは、
聴くたびにときめいちゃいますし、本当に心から幸せな気持ちになれるんですよ。
だから「何私はアホなことをしてるんだ」と思いながらも面白くて面白くて、
こんな活動を続けてしまっているわけです。