オニの風土記
恐るべき怪異、虚空の雷神、滑稽な邪鬼……「鬼」はどのように変幻し、われわれの生活感情の中に棲み続けてきたか。説話・伝承・芸能、絵画・造形・建築資料を縦横無尽に読み解く日本人の心性史。
怪異として、神として、あるいは笑いの対象として日本人の生活感情に棲み続ける鬼。その形姿はどのように成立したか。「鬼的」なるものへの恐怖と信仰は、説話や伝承、芸能、絵画・造形、精神文化の上にどう「変幻」し、形をとどめたか。鬼の本質を自然の破壊的エネルギーに捉え、風神雷神から「かきつばた」まで、鬼を通して日本の風土を読み解く。
※本書の原本は、1975年に桜楓社より刊行されました。