30代にしてフランスの最も権威ある文学賞の一つ、
ゴンクール賞を受賞したセネガル人作家、初邦訳作品!
同性愛が赦されない罪だというのなら、
それを裁く人々は無実でいられるのだろうか。
実際に起こった事件を題材にセネガル社会のタブーに切り込み、
集団で正義を行使する人間の暴力性と、
誰もが持つ排斥の恐怖を描いた衝撃作。
セネガル人の若き文学教員はある日、ネット上で拡散されていた動画を目にする。
そこに映っていたのは、同性愛者の疑惑をかけられ死んだ男性の墓を人々が暴いている様子だった。
掘り返された男性の遺体が妙に頭から離れなくなっていた彼は
バイセクシュアルのセフレ、次期イマーム候補者である父、
掘り返された男性の母親など多くの人と言葉を交わすうちに
思ってもみなかった真実と対峙することになる。