南北アメリカやオセアニアの先住民、極北のエスキモー、アジア各地の人びと、そして私たち日本人の共通の祖先、先史モンゴロイドは、あるとき人類発祥の地アフリカを後にして、厳寒のシベリアに足を踏み入れた。そして陸づたいにアメリカ大陸へ、また東南アジアを経て海路をオセアニアの島嶼部へと、地球を駆けめぐり、拡散と適応をつづけた。DNA研究を武器とした遺伝学、下戸の分布から迫る法医学をはじめ、免疫学、人類学、考古学、古生物学、地理学など学際的な研究成果が明かす祖先の足跡。