• Author農山漁村文化協会
  • Publisher農山漁村文化協会
  • ISBN9784540222030
  • Publish Date2022年12月

使い切れない農地活用読本

東日本大震災、新型コロナウイルスによって地方移住(田園回帰)への関心がアップ。都市近郊の市民農園は大人気で、キャンセル待ちが続いている。一方、人口減少と高齢化が進む農山村では「使い切れない農地」が増え続け、景観の悪化や獣害の要因になっている。
 実家の荒れた農地を引き継いだ人には「持て余した農地」だが、新規就農者や農的暮らしを求める都市住民には、活用したい地域資源。手を入れれば、有機農業や自給菜園、養蜂の蜜源植物の栽培など、新しく農業で生計を立てたり、仲間と自給暮らしを楽しんだりできる「余地(余裕地)」がたくさんあるともいえそうだ。
 本書は、『季刊地域』『月刊現代農業』に掲載された記事を再編集し、「荒らさない、手間をかけない、みんなで耕す」農地活用の工夫を大公開。「25のおすすめ品目」「64の用語解説」「知っておきたい農地制度のQ&A」付きで、初心者にも読みやすい。
【目次】
データで見る ニッポンの農地事情
Ⅰ 遊休農地を小さい農家が耕し始めた!
中山間の借りた田んぼで米を自給 なんと楽しきかな「グループ帰農」/新規就農も、ベテラン果樹農家も 有機学校給食向け野菜づくり/「里山技塾」と「銀寄せバンク」で副業クリ栽培/「都市住民×市民農園」"トカイナカ"でステップアップ就農
Ⅱ いろいろあるぞ 手間のかからない農地の活かし方
●獣害に強い品目をつくる:シソ/ラッキョウ/マコモ/エゴマ
●薬用植物を育てる:ドクダミ/クロモジ ヨモギ
●花木・枝物を植える:アジサイ/ガマズミ ナツハゼ/クルミ/トチノキ/ミツマタ/オオシマザクラ/ハナモモ
●「草」を育てる:カヤ(ススキ)/エリアンサス
●養蜂を始める:レンゲ、ヒマワリ、ヤマザクラ…ミツバチの蜜源植物を植える/緑肥を播けば、草を抑え、蜜源にもなる
●放牧地にする:素人でもできる!耕作放棄田で和牛の周年親子放牧/ヒツジを放せば草を食べ、肉や毛が売れる
●ビオトープをつくる:生きものいっぱいの池が町の人たちとの交流拠点になる/ビオトープで生きものを増やすワザ 
●有機農業を始める:山の斜面に復活した畑 町のみんなで「不耕起栽培」/広げるぞ自然栽培 中山間の休耕田は宝の山
Ⅲ 知っておきたい 農地の話
使い切れない農地 素朴な疑問Q&A/「農地の番人」農業委員に聞いた 農地の貸し借りin新潟/いよいよ困る 不在地主の農地Q&A/不在地主問題―獣害レポート/使い切れない農地の粗放利用や林地化が進めやすくなる―最適土地利用対策のポイント/「守るべき農地」と「守り切れない農地」のマップ化
Ⅳ 木を植えて山に還す
木を植えて、30年後の風景をつくる/使い切れない農地への植林支援が始まった!/荒れた農地は山に戻す、里には花が咲く木を植える/シダレモモで草畑を花の園に/早世樹・センダン 耕作放棄地に植えてまっすぐな幹に仕立てる方法/使い切れない農地に木を植えるQ&A

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