TRANSIT 58号
長い休暇期間には、森や湖に親しみ、サウナで大切な人びとと時間を過ごす。そんなふうに暮らすフィンランドは、ときに「世界一幸せな国」なんていわれることも。たしかに、教育や福祉の充実度や、女性の社会進出率の高さなどは、さまざまな面で世界中のお手本として挙げられます。それだけでなく、イッタラやマリメッコなどのプロダクトからアルヴァ・アアルトらによる建築、そしてムーミンまで、世界に評価される名デザイン・名作が生み出されているのもこの国。国土を覆う広大な森林や湖などの自然環境にインスピレーションを受け、ユニークかつモダンなアイデアが生まれているのです。その一方、北極圏を擁する過酷な気候、ロシアとスウェーデンの間で揺れた歴史など、フィンランドの地政的環境を見てみると、決して恵まれているとはいえません。そんな逆境を乗り越え、フィンランドの人びとがかたちづくった「幸せ」とは。そんな彼らの暮らしと、豊かな自然に触れる旅に出ました。
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