轢き逃げの通報を受け、臨場した北海道警察本部大通署機動捜査隊の津久井卓は、
事故ではなく事件の可能性があることを現場で知る。
それは被害者が拉致・暴行された後に撥ねられた可能性が高いからだった。
その頃、生活安全課少年係の小島百合は、駅前交番で保護された、九歳の女の子を引き取りに向かう。
その子は、旭川の先の町から札幌駅まで父親に会いたいと出てきたようだった。
一方、脳梗塞で倒れた父を引き取るために百合と別れた佐伯宏一は、仕事と介護の両立に戸惑っていた。
そんな佐伯に弁護士事務所荒らしの事案が舞い込む……。
ひとつの交通事故を契機に、警察官としての矜持、そして遊軍の刑事の意地が、隠された犯罪を炙り出していく――。
コロナ禍に見舞われながらも懸命に生きる人々を鮮やかに描く、心に残る傑作警察小説!
大ベストセラー道警シリーズ、最新作。