あなたが本を読んでいるとき、居眠りをしているあなたも同時に存在する!
世界は無数に分岐していて、あなたはそれぞれの世界に無数に存在している!
これはSFでも疑似科学でもない。第一線の理論物理学者たちによって真剣に議論され、現在では多くの
支持を集めている考え方である。人間の直観に大きく反する量子力学をどう理解すべきかを考えたとき、
標準的な解釈とされているコペンハーゲン解釈ではなく、この多世界解釈こそが、じつは最も「自然」で、
最も「真面目に」量子力学に向きあう考え方であるといわれている。それはいったいなぜなのか?
さらに多世界解釈では「シュレーディンガーの猫」のパラドックスも取るに足らない問題として説明され、
「量子もつれ」「遅延選択」「量子消しゴム」「Qビズム」などの新時代のテーマにも明快に答えられる。
量子力学で最もエキサイティングな「解釈問題」を誰にでもわかる平易なロジックの積み重ねで説明し、
衝撃的な世界像を描き出すとともに、誤解されがちな量子力学の根本原理も正しく知ることができる、
量子力学に興味のあるすべての人が必ず読んでおくべき一冊!
(本書の内容)
第1章 原子の世界
第2章 量子力学の誕生
第3章 光は波か粒子か
第4章 波の収縮と確率――コペンハーゲン解釈
第5章 状態の共存から多世界解釈へ
第6章 同時進行する複数の状態
第7章 ボーア=アインシュタイン論争からエンタングルメントへ
第8章 光子の干渉実験
第9章 デコヒーレンス─ 干渉性の喪失
第10章 世界の分岐
第11章 確率則
第12章 多世界解釈の世界像