わたしたちが盗んだのは
まだ死ぬはずじゃない
死体――
美しい盗掘人が連続殺人事件を掘り起こす……!
【あらすじ】
1850年マンハッタン。裕福な令嬢がひそかに出産した女の子コーラは、生後すぐに心臓がふたつあると診断される。当時、めずらしい特徴を持った人体が高値で売買されていたので、コーラは14歳までジェイコブという男の子として育てられた。これで“ふたつの心臓を持つ女の子”はいなくなる。
母と育ての親である伯母の死後、20歳になったコーラは死体盗掘人として生計を立てていた。墓掘りの際はふたごの兄〝ジェイコブ〟としてふるまい、ふたつの人格を使い分けている。
珍しい身体的特徴を持った死体や奇妙な死因で亡くなった遺体を専門にするが、それは自分が狙われたときにいち早く察知するためでもあった。あるとき、コーラがマークしている人々が、自然死ではなく次々と殺害されていることに気付く。
同時に、一度は消えかけた“ふたつの心臓を持つ女の子”のうわさが街に広がりはじめていた……。
医学博士が描く驚愕のミステリ・スリラー。