• Author㈱自動車保険ジャーナル

自保ジャーナル NO.2121 2022.11.10

1.42歳男子主張の1級1号高次脳機能障害及び脳脊髄液減少症は認知障害や人格変化等認められず高次脳機能障害を否認し各診断基準が重視する要素を満たしていないと脳脊髄液減少症を否認して事故約半年で症状固定と認定した 2.事故約9ヶ月後に肝癌で死亡の64歳男子Aの右寛骨臼骨折は治療の際にMRSAに院内感染する危険性が現実化して1級高次脳機能障害に至ったと事故との因果関係を認め、Aの死亡は予測できないと10年間の逸失利益を認定した 3.自賠責同様12級6号左肩関節機能障害を残し減収のない男子みなし公務員Xの後遺障害逸失利益を将来にわたって減収がないとも限らないとX主張額を基礎収入に10年間8%の労働能力喪失で認定した 4.減収のない29歳男子会社員主張の右肩腱板損傷による12級13号右肩関節痛を認定し労働能力に与える影響は限定的であることから10年間5%の労働能力喪失で後遺障害逸失利益を認めた 5.59歳男子主張の14級9号左上肢痛等及び25歳女子主張の14級9号腰部痛等はドライブレコーダーの車内映像からも重度のむち打ち症状が生じるような衝撃とは認め難いと治療期間を事故後3ヶ月と認定し後遺障害の残存を否認した 6.被告乗用車に衝突され路上に投げ出された64歳主婦Aを十分に確認せず一時停止後に再発進させた被告車が轢過し約1時間後に死亡させたことからAの死亡慰謝料2,800万円、夫240万円、子3名各120万円の固有慰謝料を認めた 7.積雪状態の信号交差点で対向早回り右折Y乗用車に衝突された直進X乗用車の過失を1割と認定した 8.片側2車線道路の左側路肩から発進して転回してきた対向被告乗用車に衝突された3ヶ月前に購入の原告外国製乗用車の過失を15%と認定し、財産的損害の賠償とは別に慰謝料を認めるべき事情はないと物損慰謝料を否認した 9.第1車線を走行中に左前方のタクシーレーンに停車中の被告タクシーが第1車線に進入してきて衝突された原告原付自転車の過失を5%と認定した 10.信号のない丁字路交差点での直進原告乗用車と左方の突き当たり路から一時不停止で減速せず進入してきた被告乗用車との衝突は被告車の過失は著しいと原告車の過失を5%と認定した 11.青信号交差点を徐行義務違反で右折してきた対向被告原付自転車に衝突された直進原告自動二輪車には減速等せず直進進行した過失があると1割の過失を認定した 12.被告ロードサービスがタイヤを装着した状態で原告車のパンク修理を行った後の脱輪事故はBからボルトを外したことや自分でタイヤ交換を試みたことを聞いていない等から被告にはボルトの締まりを確認すべき特段の事情もなかったと本件事故責任を否認した 13.午前3時頃にX車両を運転して直線道路の左側壁に走行不能になるほどの衝突は友人との食事の事実を秘していたことから焼肉店で飲酒をしなかったというXの主張等は信用できないとXの酒気帯び運転を認め保険免責を認定した 14.慢性腎不全で死亡した被告介護老人保健施設に入所していた88歳男子Aに対し被告がAの腎機能障害を的確に診断し腎機能の悪化を防止する注意義務違反やAが施設入所に当たっての被告の説明義務違反等を否認し請求を棄却した

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